VPNで海外への内線電話は可能か?

VPNで海外への内線電話は可能か?

VPNとは、バーチャルプライベートネットワークの略で、インターネット回線をまるで自社の専用回線のように仮想的に使用できる技術のことです。セキュリティが強固ですので、ファイルサーバを遠隔地で使用したり、会社の業務ソフトを出先や拠点で、ネット回線を介して使用したりできます。

また、VPNを利用すると、今まで外線接続していたところと内線電話で接続ができるようになり、電話代の節約になります。

このようなインターネット回線を利用した電話のことを、「IP電話」と言います。

その内線電話を、日本から国外の会社拠点にIP電話で接続できるかどうかということが、今回の記事のテーマです。

「VPNで海外への内線電話は可能か?」という問いに、結論を先に述べるとするならば、「国によっては可能」です。

IP電話の内線電話を「海外と行いたい」というご要望

当社によくあるご相談の場合ですが、VPN接続で日本の本社と海外拠点との電話を、IP電話で内線電話化したいという理由は、日本の電話サポートを24時間受け付けている場合です。

国内で電話オペレータだけで、電話サポートを24時間対応できるようにすると、電話オペレータのお給料が夜間作業の為高くなってしまいます。

そこで、日本が深夜のときに、昼間である国で日本語を話せるオペレータに電話を受けてもらいたいというご要望があります。海外ですと、昼間のお給料でオペレータを雇うことができますし、日本よりも人件費が安い国もあります。

日本国内で外線がかかってきたときに、音声パケットの制御により、海外の拠点に内線電話を転送して、海外で日本国内の外線を受けるというものです。要するに、海外の拠点をVPN接続して、日本の外線電話が鳴るようにします。

例えば、時間帯によってインドや英国などに接続先の拠点を切り替えることもできます。

VPN接続で海外と内線電話が可能か?

VPNによる内線電話の接続が可能かどうかは、接続する先の国によります。国によっては、VPN接続を禁止している国があるからです。

VPN接続が禁止されている国とは?

例えば、中国はVPN接続が禁止されていることで有名です。また、当社で実験したところでは、ドバイでも接続ができませんでした。

このように、相手国でVPN接続が規制されていたら、VPNによる内線電話接続もできません。

反対に、VPN接続が許可されている国では、その国の拠点に内線電話でつなぐことができる場合が多いです。これも、若干の条件があるので、後ほどご説明いたします。

VPN接続が規制されている国でもVPN接続する方法

IPアドレスを接続先の国のものを使用して、日本から相手国にVPN接続する方法もあります。

相手国からすると、「自国のIPアドレスだから禁止されていない」ということですが、回線速度が内線電話に耐えられるほど早くないので、内線電話は事実上できません。

VPN接続で海外拠点の電話を内線化する方法

VPN接続が開通すれば、拠点電話の内線化する作業内容は簡単なのですが、海外のプロバイダにてVPN接続する必要があります。

SIPサーバの設置

まず、日本国内や海外の拠点にVPNルータを設置します。そして、日本の電話では、ビジネスフォン端末を利用しますが、それをLAN接続するためのSIPサーバ(シップサーバ)を設置します。

SIPサーバとは、IP電話では必須のサーバで、電話の音声を音声パケットに変換してインターネット回線で送受信ができるサーバのことです。

海外の拠点の電話は、LANケーブルに接続できるものを使用します。パソコンを電話にするアプリをインストールしても良いです。

ただし、海外拠点から日本の電話番号で外線をかける場合には、SIPサーバ対応のビジネスフォン端末を設置し、SIPサーバを経由してVPN越しに日本の外線に内線接続する流れです。

日本の拠点に、SIPサーバを設置していない企業では、SIPサーバの導入が必須となります。もし、SIPサーバ対応のビジネスフォン端末を利用していないようであれば、ビジネスフォンをSIPサーバ対応のものに交換する必要があります。

海外拠点から日本国内の客先等に電話をする場合でも、電話番号は「03」などの国内の電話番号が表示される様になります。海外から国内までの国際電話の電話代は内線扱いになるためかかりません。国内拠点から客先までの国内電話料金だけがかかります。

海外拠点でVPN接続ができるかが最大の問題

海外の拠点にVPNを設置する場合は、海外のプロバイダ接続の技術的な情報開示が必須となります。プロバイダに対応したVPNルータを選ぶ必要があったり、プロバイダ用のIDの設定が必要であったりするからです。

海外拠点にて、プロバイダと契約すると、インターネット回線に接続できる環境が整います。そのときの契約書類に書かれているIDを、当社にあらかじめお教えいただく必要があります。

当社からVPNルータをお送りするのですが、海外の業者さんにVPNルータの設置や設定を協力してもらい、VPNを敷設した方がよいです。

当社でも、リモートWi-Fiで接続ができるノートパソコンをこちらからお送りしてルータに接続してもらい、そのノートパソコン経由で遠隔操作し初期設定をすることもできます。

オペレータが海外の拠点に渡航して設定することも可能ですが、それで接続ができなければ、貴社ご負担の出張費が無駄になってしまうので、契約しているプロバイダの情報収集が入念に行えるかがポイントになります。

海外のプロバイダによっては、指定のVPNルータでないと接続できない場合もあるので、ご相談ください。

VPNの敷設による拠点間の内線電話化、ファイル共有などによるコスト削減なら、企業向けVPN構築・運用支援をご覧ください。名古屋や愛知県だけでなく、大阪から東京までVPN接続の実績がございます。お気軽にご連絡ください。

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