VPN接続による本社-支店間電話の内線化の方法
VPN接続とは、インターネット回線を利用して、支店間に仮想のプライベートネットワークを構築する手法です。
本社や支店、工場などをVPN接続することで、本社と支店の間、もしくは支店同士の電話を内線接続することができます。
VPNを利用して、外線を内線電話化することで、支店にかかってきた外線電話を本社で受けることができるようになったり、支店の外線を廃止して本社で1本化することができます。
また、本社と支店の間、もしくは支店同士の間の電話を内線電話で接続することができ、電話代のコスト削減につながります。
VPN接続による内線電話化の条件
VPN接続によって、本社や支店の間の電話回線を内線電話化するためには、いくつかの条件があります。
本社や支店で光ケーブルによるインターネット回線を接続していること
本社と支店とでVPN接続する場合の条件として、必須なことが、お互いに光ケーブルによるインターネット回線に接続されていることです。VPNはインターネット回線を利用して、プライベートネットワークを構築するからです。
SIPサーバを導入すること
VPN接続ができるようになったら、次に支店間を内線電話化するために、SIPサーバ(シップサーバ)を導入します。
SIPサーバとは、電話の音声をインターネット回線で送受信できる音声パケットに変換したり、音声パケットを音声に戻したりするサーバのことです。
SIPサーバをLANケーブルでVPNルータに接続し、インターネット回線に接続します。
SIPサーバ対応のビジネスフォン端末を導入すること
最後の条件が、SIPサーバ対応のビジネスフォン端末を導入することです。
本社にSIPサーバとSIPサーバ対応のビジネスフォン端末を導入することで、本社に入った外線を支店で受けることができます。
本社と支店の両方にSIPサーバ対応のビジネスフォン端末が入っていると、本社に入った外線を支店で受けられ、また支店に入った外線を本社でも受けられます。
もし、現在使用しているビジネスフォン端末がSIPサーバ対応のものでない場合は、ビジネスフォン端末を交換する必要があります。
どのようなSIPサーバを選べば良いのか?
基本的には、SIPサーバは、ビジネスフォン端末を販売しているメーカのものを利用します。NTTをはじめNECや岩通、ナカヨ、日立、サクサなど有名どころのメーカから、ビジネスフォン専用の会社までさまざまなメーカのものが存在します。
サーバを独自に構築してSIPサーバを構築することは、技術的には不可能ではありませんが、動作保証がなされないので、ビジネスで利用することはおすすめできません。
SIPサーバを自分で選んで導入する場合は、どのメーカを選んだら良いのか、迷ってしまうことでしょう。インターネット回線の使用状況などで選ぶべき機種があるので、当社のような業者にお任せいただいた方が良いです。
ビジネスフォン端末の種類
ビジネスフォン端末の機種によっては、電話線ではなくLANケーブルで接続するものもあります。それを導入するメリットは、そのビジネスフォン端末をSIPサーバ経由で、フリーアクセスで使用できることです。
フリーアクセスとは、自分の電話機を好きな場所に持ち運んで、そこにあるLANケーブルに接続すれば、自分専用の内線電話を任意の場所で使用できます。
自分のデスクだけでなく、会議室や休憩室などでも内線が受けられますし、Wi-Fi接続ができるビジネスフォン端末であれば、社内のWi-Fi電波が届く範囲であれば、どこでも内線電話を受けられます。
電話機は専用のものでなくても自分のスマホに専用アプリ(通常無料)をインストールして利用することも可能です。
ノートパソコンに「ソフトフォン」というアプリをインストールすれば、パソコンを内線電話にすることができます。内線がかかってくると、パソコンの画面にコールがかかってくるので、イヤホンマイクで電話を取ります。
ビジネスフォン端末を製造しているメーカ製のSIPサーバを使用すると、ソフトフォンのアプリを使用することができます。
VPN接続で内線電話ができる仕組み
VPN接続で内線電話の通話ができるようにするためには、電話の音声をインターネット回線で送ることができる音声パケットと言われるデータに変換する必要があります。またその逆に、音声パケットで送られてきた音声を、電話の音声に変換する必要があります。
その変換を行う作業をSIPサーバが担っています。
SIPサーバには、外線電話の電話回線を接続し、VPNルータにはLANケーブルで接続します。SIPサーバが、外線や内線の音声をパケットに変換します。その音声パケットを、VPNを通して支店側のビジネスフォン端末の端末に届き、音声に変換されます。
VPNによる内線電話接続導入の流れ
外線電話を本社で1本化して、支店や工場では外線を受け付けないようにする場合には、SIPサーバを本社にだけ設置します。また、支店や工場の外線電話を本社で受けたい場合は、支店や工場にSIPサーバを設置します。
具体的な導入の流れは次の通りです。
1.SIPサーバとビジネスフォン端末を設置
外線電話が接続される拠点に、SIPサーバとSIPサーバ対応のビジネスフォン主装置を設置します。支店や工場の外線電話を本社で受けない場合には、支店や工場にビジネスフォン主装置を設置する必要はございません。
2.外線接続を確認
SIPサーバに外線の電話回線とビジネスフォン端末を接続し、SIPサーバを立ち上げします。そのビジネスフォン端末からSIPサーバ経由で外線通話ができることを確認します。
3.SIPサーバの設定
VPNを敷設し、SIPサーバに支店の内線電話のIPアドレスと内線電話番号を設定します。本社と支店でそれぞれVPNを通して、内線電話ができるかを確認します。
4.外線電話の動作確認
最後に、本社にかかってきた外線を支店で受けられるか、その逆も可能かを確認します。
また、支店のビジネスフォンから携帯電話などに電話をしたときに、相手の携帯電話に本社の電話番号が表示されることを確認します。
以上が、VPNとIP電話を活用した内線電話接続導入の流れです。
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