VPN接続が可能かを調べる3つのチェックポイント(V4接続の場合)
VPNの問合せで多いのは「当社でもVPNできますか」
弊社にVPNのお問い合わせで最も多いことが、「当社でもVPNが利用できますか?」というものです。
この問いにストレートにお答えすると、インターネットの規格がV4なのかV6なのか、インターネットプロバイダはどのベンダーと契約しているのか、ルーターはどこのメーカーのものを使用しているのかなど、実際には詳細に調べてみないと分からないこともあります。
一部ケーブルテレビやマンションのインターネット設備でVPN敷設できない場合がありましたが、古い規格のV4接続であれば、基本的にインターネットVPNはインターネットに接続できる環境なら拠点間VPNできます。
V4接続の場合にVPN接続が可能か、簡単な3つのチェック項目をご説明いたします。V4接続とはどういったものなのかも、後ほど説明いたします。
V6接続の場合にVPN接続が可能かどうかのチェック方法は、別の機会にご説明したいと思います。
V4接続でインターネットVPNを利用するための条件チェックポイント
インターネット回線がV4接続の場合、インターネットVPNを利用できるかどうかのチェックは、次の3点です。
これらを、簡単に解説いたします。
1.インターネットにグローバルIPアドレスが付与されているか?
グローバルIPアドレスとは、インターネットに接続するための番号で、管理団体から割り当てられたものです。
インターネットでの情報のやり取りは、自宅の場所と道路の関係と似ています。
通販で商品を購入したら、商品が自宅に届くとき、玄関先に届きます。それは、自宅の住所が明確だからです。
それと同じように、インターネットの世界にも住所があります。それをグローバルIPアドレスと言います。
インターネットで情報が届くためには、グローバルIPアドレスが付与されていななければなりません。このグローバルIPアドレスにめがけて世界中からインターネット回線を通じてデータが飛んできて、受信することができます。
一部ケーブルテレビやマンションのインターネット回線では、マンションやアパートのように、住所が共同の住所になっていて、自宅が直接インターネット回線に繋がっていない事があります。
このような場合では、届いた荷物を部屋毎に振り分けるように、インターネットでもローカルIPアドレスで振り分けることをしています。
このようなローカルIPアドレスを利用している場合は、VPNが使用できない場合があります。
2.最低どちらかの拠点が固定IPアドレス又はDDNSが使える環境にあるか?
グローバルIPアドレスは、インターネット回線を接続するときに毎回異なる番号になる場合と、ずっと固定された番号の場合があります。
「固定IPアドレスを使用したいです」と申請して、追加料金を払っているところであれば、固定IPアドレスとなりますが、一般的な光ケーブル等のインターネット接続は、モデムやルーターの電源がOFF/ONするたびに、グローバルIPアドレスは変更されます。
これをプロバイダの契約で、いつも同じのIPアドレスにしてもらえる固定IPアドレスの契約すると、モデムやルーターの電源をOFF/ONしてもいつも同じグローバルIPアドレスがもらえます。
例えるならば、自宅の住所が電源をOFF/ONするたびに変更されるか、それとも固定されているかです。
拠点間VPNの基本は、固定IPアドレスの利用が必須です。このグローバル固定IPアドレスに向かってデータを送り、拠点間で専用回線を引いているイメージです。
当社ではこのグローバル固定IPアドレスを使わずに、コスト削減して接続するケースが多いです。これはDDNS(ダイナミック・ドメイン・ネーム・システム)という方法を利用しています。
DDNSとは、インターネット回線の住所であるグローバルIPアドレスは数字の羅列ですが、それを一度「ドメイン名」という名前に置き換えて、名前から住所を検索する技術です。
3.拠点のルーターが双方とも同じメーカーか?
基本的にルーターは異なったメーカーでも暗号化の規格が同じであれば繋がります。
但し、相性とか設定の煩雑さを考えると同じメーカー同士の方が無難です。当社も異なったルーター同士で繋がらなく、半日以上格闘した経験があります。
インターネットには、いろいろなデータが行き交います。インターネットを利用している人の中には、他人の電話を盗み聞き(盗聴)や改ざん(なりすまし)をするような輩もいます。
これを防ぐのが暗号化と認証です。
インターネットVPNでデータを送受信するときは、データをすべて暗号化します。詳しい事は割愛しますが、この暗号化のところが、同じメーカー同士の方が相性がいいのです。
V4接続からV6接続への移行期
今はグローバルIPアドレスの枯渇が問題となっています。インターネット回線に接続する場合は、オリジナルのIPアドレスを使用します。他の人とIPアドレスが被ってしまっていたら、どちらの住所にデータを送ればいいのかわからなくなるからです。
世界中でインターネット回線に接続するコンピュータの数が爆発的に増え、V4規格では、IPアドレスの数が足りなくなりました。そこで、住所の番号の桁数の多いV6規格が出現しました。
今現在、規格がV4からV6に変わっていく過渡期です。V6を利用したVPN接続のお話は、別の機会にさせていただきたいと思います。
今までのV4規格の場合は、上記の3つのことを確認すれば、たいていインターネットVPNの利用は可能です。
「VPNを使ってみたいけど、よくわからない」「VPN接続ができるのか、一度環境を確認してほしい」など、VPNをご検討されている企業様は、お気軽にお問い合わせください。